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TSKさんいん中央テレビの報道番組でプラチナの生成AI「チャットGPT」の業務導入が紹介されました企業ニュース

2023.09.21

対話型生成AI「チャットGPT」山陰でも活用広がる(島根県・鳥取県)

https://news.goo.ne.jp/article/tsk_tv/region/tsk_tv-2023092100012764.html

「ニュースソノアト」気になる話題のその後を取材、深掘りします。
取り上げるのは、対話型の生成AI「チャットGPT」。

2023年春、島根・鳥取両県は、行政業務への活用を巡り、慎重な姿勢を見せていました。
あれから5ヶ月、試験運用をはじめた両県の現状、さらに民間企業の活用策を取材しました。

鳥取県 平井知事:
「チャットGPTよりは、ちゃんとジーミーチーでありまして」

島根県 丸山知事:
「県民に対して、アウトプットに責任を持たないといけない書類は、機械から出てきたものを使うのはありえない」

2023年4月、対話型生成AI「チャットGPT」の導入を巡り、共に消極的な姿勢を示した両県知事。
情報発信に責任が伴う行政文書の作成には「積極的に活用することはない」と、AIに頼ることに異を唱えていました。

あれから5ヶ月。
鳥取県の情報通信行政を担うデジタル改革課。

鳥取県デジタル改革課 中尾誠治 係長:
「この3つに限定して使っています」

鳥取県では8月から、事前に申請をした職員に限り、チャットGPTの使用を許可し、試験的な運用を始めました。
ただし、使用できる業務の範囲を限定しています。

鳥取県デジタル改革課 中尾誠治 係長:
「こっちがリクエストで、この下が生成AIから返ってきた回答です」

そのうちのひとつ、プログラミングコードの作成では、求める回答が約30秒で返ってきました。

Q人間ならどれくらい掛かかるか
鳥取県デジタル改革課 中尾誠治 係長:
「慣れている方でも30分くらいは掛かると思う。かなり業務の効率化に繋がると考えています」

一方で、情報漏洩や著作権侵害などのリスクから、すべての業務での導入は難しいといいます。

鳥取県デジタル改革課 中尾誠治 係長:
「生成AI自体が発展途上の技術であるので、県民の大切な情報を預かる立場としては、まだまだ(本格導入は)検討していかないといけない」

また、島根県でも6月から8つの部署で試験運用を始めました。
この日担当部署による「島根県民手帳」のリニューアルに向けたミーティングの中で、新たなタイトル案をチャットGPTに尋ねました。
その答えは。

島根県職員:
「縁手帳、縁しまね手帳、良いね。これにしようか」
「(行政は)去年やっていたからこうしましたということが多いが、チャットGPTだと思いもよらない面白いアイディアや、良い面も悪い面も意外性があり(ミーティングが)盛り上がっていい。」
「(導入への)抵抗は全く無い。新しい物はどんどん使えば良い。制限する動きもあるが、正直もったいない」

ただ、あくまでも「参考」として扱うことが条件となっています。
県は、個人情報や機密情報の入力を禁止するほか、職員が事実確認をするなど、利用のルールを決めています。
行政機関では、機密情報の取り扱いや個人情報の保護などの課題があり、試験運用を始めたとはいえ、慎重な対応を取っています。

一方、民間企業のなかには積極的に利用しているところもあります。

platinum 石原聡常務:
「スピードは従来の10分の1ぐらいになったと思う」

松江市で車の輸入販売を手掛ける会社を取材すると、修理や顧客対応にチャットGPTを導入していました。
車種、年式など、僅か4つのキーワードを入力するだけで、瞬時に必要な情報を得ることができるようになったといいます。

platinum 石原聡常務:
「面白い物があるなというのがきっかけで、業務改善ができればいいかなというのがホントのところです」

今後も活用の幅を広げ、従業員の人手不足解消に繋げたいとしています。
幅広い分野で「チャットGPT」の導入が進む現状について、AIを研究する松江市出身で慶応義塾大学の満倉靖恵教授に聞きました。

慶応義塾大学 満倉靖恵教授:
「人間のエラー率は5%ですが、今のAIは5%を遥に下回っている。一方で考えたりクリエイティブなことはできない。入れたものしか返ってこない。学習したことしか返ってこないので、学習のさせ方に注目すべき」

満倉教授は、効率的に使うにはAIに学習させる工程が不可欠だといいます。
その上で今後の活用については。

慶応義塾大学 満倉靖恵教授:
「(生成AIは)あくまでも教えたもの以外は出てこないので、セキュリティは守られると思います。万が一のことを考えて、AIにAIを見張らせることもできますし、今後、少子高齢化のなか(AIを)使って助けてもらうぐらいの立場でやっていけると思う」

人間がどこまでやってAIに何を任せるのか。
これを正しく見極めることが今後重要になってくると指摘します。
業務の効率化につながるチャットGPT。
「使われる側」ではなく「使う側」になるために正しく向き合う必要があります。